平成23年6月18日(土)午後3時から帝国ホテル大阪・芙蓉の間にて、神戸大学工学部システム工学科瀬口研究室(システム設計講座)同窓会が大阪大学基礎工学部瀬口研究室との合同で開催された。
1990年6月、瀬口靖幸先生突然の訃報から21年、初めての合同同窓会には来賓を含め75人が集った。笹部幸博氏のウイットに富む司会で会は始まり、両大学のOB上田氏、小島氏らOBから当時の懐かしいエピソードが紹介された。システム1回生の八木氏(CSクラブ会長)は、「瀬口先生のDNA」との言葉を使われ、1)難関に果敢に取り組むこと、2)最適化を試みること、3)そのDNAを引き継ぐことが瀬口研OBの使命ではないかと挨拶され、会場の共感を呼んだ。当時瀬口研助教授であったと冨田佳宏先生は来賓として、「やはりこの同窓会に瀬口先生がおられたら、とみな思っておられることでしょう。」「瀬口先生は日本で初めてのカタカナ学科の立ち上げに他の先生方と一緒にご尽力され、現在隆盛を得ているバイオメカニクス、計算力学、最適設計、実験力学など新しい学問体系を形にするのに大きく貢献された。先生の素晴らしいところは新しい形ないものを形にするところまで持っていかれたところだ、こういった先見性に対して師事した若者は引かれたのではないか」とご挨拶。瀬口先生と過ごした時間は短いが、密度の高い研究生活を懐かしむように語られたのが印象的であった。多田幸生教授(現:システム情報学研究科長)、和田成生教授(大阪大学基礎工学部)からは瀬口研究室のその後の展開と両大学の現状が資料を用いて紹介され、長く大学を離れているものにとっては時の流れを感じるひと時となった。以下、出席された方々の何人かに当時を思い出し一言コメントを頂いたので、原文のまま紹介したい。(誌面の都合で一部のみのなることお許し戴きたい)
・一瞬で学生時代に戻っています。今なお、瀬口先生だったらどうされるだろうな?などと考え学生指導に当たっています。
・20数年ぶりに、当時の瀬口研メンバーに会うことができ、懐かしかったです。楽しいひと時を過ごすことができました。本当にありがとうございました。「主なしとて、研究室のつながりな忘れそ」(字余り)の気持ちでいきたいものです。
・瀬口先生の気配を感じつつ未知の問題解決に果敢に挑戦する皆様に接し力強くもあり先生の教育についてのお考えが確実に継承されていることを確認できました。
・創成期の神戸大学システム工学科生や瀬口先生が大阪大学へ移られた時期の阪大基礎工生らいっしょに勉強したみんなに再会できてなつかしかったです。また、大きくなった理君と会えたのもうれしかったです。瀬口先生に初めて会ったときのことを思い出しました。
・私の研究の原点が正に瀬口研究室の時代にあったのを実感しています。神戸大学に着任したときの部屋が瀬口先生がかつておられた部屋だったことにも不思議な縁を感じます。「最適化は技術者・研究者の本能」というあたりは現在の学生の指導の際にもよく口にしています。
・研究テーマが多岐で、気の弱い私は、テーマ選択の際に血を見ないのがいいと言ったら先生に笑われた記憶があります。その後、ウサギの肺の解剖とか、犬の血管を研究している人を見てよかったと思っております。私が選択したテーマは今も役立っております。
・ 懐かしい仲間とあえて幸せなひと時を過ごすことができました。またの再会を楽しみにしています。
同窓会にはご来賓として、奥様・瀬口郁子先生(神戸大学)、ご子息・理氏(国立循環器病センター)のご臨席も賜った。僭越とは思ったがコメントを頂けたので末筆ではあるが以下にご紹介し、会の報告としたい。
・父がなくなり20年が経ちますが、職場で父を見る機会はほとんどありませんでした。今日この場に参加させていただき、父の職場での一面をうかがい知ることができました。
懐かしい"おにいちゃん"達のお顔も拝見でき、楽しい時間を過ごさせていただきました。次男、理
・今日はあまりにもいっぱい、想いがあり、なにを申し上げていいのかわかりませんが、非常に贅沢なひと時を過ごさせていただき、感謝いっぱいです。長い間のブランクも一瞬になくなる瞬間を味わい、そしてお顔をみると当時の、面白いエピソードなども次々思い出され、face to faceの素晴らしさを再認識させて頂きました。本当にありがとうございました。瀬口郁子
システム工学科7回生 粟津邦男 記 |